HbA1cが高いとはどういうこと?

HbA1c(ヘモグロビンエーワンシー)は、血液中の糖と赤血球中のヘモグロビンが結びついたものの割合を示す値です。この数値は過去1~2か月間の平均的な血糖値を反映し、糖尿病の診断や管理において非常に重要な指標となります。
正常範囲を超えるHbA1cの値は、血糖値が慢性的に高い状態、つまり高血糖が続いていることを意味します。この状態が放置されると、糖尿病の進行や合併症のリスクが高まります。
HbA1cが高くなる理由
HbA1cの数値が高い原因は、主に以下のような要因が挙げられます。
インスリンの不足または抵抗性 | 糖尿病では、インスリンの分泌不足や細胞がインスリンに反応しにくくなることで、血糖値が高い状態が続きます。その結果、HbA1cの数値も上昇します。 |
---|---|
食生活の乱れ | 糖質を多く含む食事や間食の頻度が多い場合、血糖値が上がりやすく、HbA1cの値も高くなります。 |
運動不足 | 運動が不足すると、血糖値を下げるためのエネルギー消費が少なくなり、結果的にHbA1cが上昇します。 |
ストレス | ストレスによるホルモン分泌の影響で、血糖値が上昇し、HbA1cが高くなることがあります。 |
HbA1cが高いとどうなる?
HbA1cが高い状態が続くと、以下のようなリスクが高まります:
1. 糖尿病の合併症のリスク増加
糖尿病性網膜症 | 視力低下や失明のリスクが高まります。 |
---|---|
糖尿病性腎症 | 腎臓の機能が低下し、最悪の場合透析が必要になることがあります。 |
糖尿病性神経障害 | 手足のしびれや感覚の鈍化を引き起こします。 |
2. 心血管疾患のリスク
高血糖は動脈硬化を促進し、心筋梗塞や脳卒中などのリスクを増加させます。
HbA1cを下げるための方法
食事療法

- 糖質を適度に制限し、バランスの取れた食事を心がけましょう。
- 食物繊維を多く含む野菜や低GI食品を取り入れることで、血糖値の急上昇を防ぎます。
- 間食や甘い飲み物を控えることも効果的です。
運動療法

- 1日30分程度のウォーキングやストレッチを習慣化することで、血糖値を下げる効果が期待できます。
- 筋力トレーニングはインスリン感受性を改善する助けとなります。
定期的な血糖値測定

- 自宅で血糖値を測定し、変化を記録することで、自分の状態を把握しやすくなります。
医師による治療

- 必要に応じてインスリン注射や経口薬を使用することが推奨されます。
- 定期的な検診を受け、医師と一緒に治療計画を見直しましょう。
HbA1cが高い場合の目安
HbA1cの目安は以下の通りです。
正常値 | 5.6%以下 |
---|---|
糖尿病予備群 | 5.7%~6.4% |
糖尿病 | 6.5%以上 |
※糖尿病の診断は他の血糖値検査と併用して行われます。
自覚症状がなくても要注意
HbA1cが高い場合、症状が現れにくいため、発見が遅れることがあります。
以下のような症状がある場合は、糖尿病が進行している可能性があるため、早めに受診しましょう。
- 喉の渇きや頻尿
- 慢性的な疲労感
- 体重の減少
- 視力の低下やかすみ目
当院でのサポート内容
当院では、HbA1cの測定とその管理をサポートしています。
- 血糖値およびHbA1cの定期検査
- 食事や運動に関する個別指導
- 合併症リスクの評価と予防プランの提案
早期の対応で健康を守りましょう
HbA1cの値が高いということは、体が高血糖の影響を受けていることを示しています。
放置するほど症状が悪化し、合併症のリスクも高まります。
気になる症状や検診結果がある場合は、早めに専門医に相談し、適切な治療を始めましょう。
当院では、糖尿病とその管理に特化した診療を行っています。ぜひお気軽にご相談ください。