FreeStyleリブレとは?
FreeStyleリブレ(フリースタイル リブレ)は、皮膚に装着したセンサーでグルコース値の変動を簡単に確認できるシステムです。
従来の指先穿刺による血糖測定とは異なり、センサーにかざすだけで、過去の血糖変動の記録も含めて確認できます。
1日に何度も指先を刺す必要がなくなるため、身体的・精神的な負担を軽減し、日常生活の中で血糖管理を続けやすくなります。
このリブレは、「間質液中のグルコース濃度」を測定しています。そのため血液中のブドウ糖濃度と多少のずれがありますが、血糖値の傾向を知るには非常に有効なツールです
どのように使うの?
医療機関で指導を受ければ、センサーの装着は自宅でご自身で行うことが可能です。
500円玉大のセンサーを上腕の後ろに貼り付けます。装着した日を含めて最大14日間使えます。
取り付けたセンサーから、専用リーダーまたはスマートフォン(FreeStyleリブレLinkアプリ対応機種に限る)へBluetoothでグルコース値のデータが届くため、リアルタイムで値を確認できます。
リーダーやスマートフォンアプリの画面上で、現在のグルコース値・過去8時間の推移・グルコース値の動向を示す矢印を確認できます。
リブレ2では「低グルコースアラート」「高グルコースアラート」「受信圏外アラート」のオン/オフ設定が可能です。
オンにした場合は、あらかじめご自身で設定した値に血糖値が達すると、「低グルコース」「高グルコース」のアラートが表示されます。
そのため、自分の血糖値がどのように変動しているのかが把握しやすくなります。
リーダーやアプリの画面上で、食事・インスリン量・運動・その他のイベントなどを記録することも可能です。
リブレを使うと何がわかるの?
これまでの自己血糖測定(SMBG)では、測定時点での血糖値を「点」でしか把握できませんでした。
一方リブレではグルコース値を持続的に追跡できるようになりました。その結果、現在の状態に加えて過去や今後のグルコース値の推移を確認し、「線」での把握が可能となりました。
たとえば食後に血糖値がどの程度上がるのか、運動によってどのように変動するのか、夜間の血糖変動など、これまで確認が難しかったグルコース値の動きを確認できます。
また、グルコース値の変化の傾向が「矢印」で表示されるため、今後の血糖値の上昇や下降を予測しやすくなります。
この機能やアラートを併用することで、低血糖や高血糖への早めの対応が可能となり、安心感にもつながります。
FreeStyleリブレLinkアプリ使用の場合は、測定データはクラウドで保存されます。
あらかじめ医療機関のアカウントとリンクさせると、医療機関側でもリアルタイムでデータが確認できます。
測定データを医療スタッフと共有することで、治療方針の見直しにも活用できます。
使用時の注意点
リブレは非常に便利なツールですが、以下の点に注意が必要です。
センサーは「間質液中のグルコース値」を測定しているため、実際の血糖値とは時間差や多少のズレが生じることがあります。
特に血糖値が急激に変動しているときには、その差が大きくなる場合があります。
リブレの数値は「参考値」として捉え、体調がすぐれないときや低血糖症状がある場合などには、必要に応じて自己血糖測定(指先穿刺)を併用することが勧められています。
センサーの装着部位(腕の裏側)に強い衝撃を与えたり、長時間水に浸けたりすると、外れたり正しく測定できなくなる場合があります。
日常生活においても、正しい使用方法を守ることが大切です。
装着や使用については、医療者の指導を受けながら安全に使っていきましょう。
日常生活への取り入れ方
リブレを使うことで、日常の生活リズムや食習慣を見直すきっかけが生まれます。
たとえば、食事内容や間食による血糖値の上がり方を確認する、運動前後での血糖値の変化を確認する、夜間低血糖がないかの確認といった使い方が可能です。
自覚症状がない低血糖の有無も確認することができます。
血糖値の変化を見ながら生活習慣を調整することで、「どうすれば自分の血糖値を安定させられるか」のヒントが得られます。
これは「自己管理力」を高める上でも非常に有効です。無理なく続けられる範囲で、少しずつ生活に取り入れていくことがポイントです。
よくある質問(Q&A)
- リブレの対象となるのはどんな患者さん?
- 現在はインスリン製剤の自己注射を1日1回以上行っている患者さんにのみ保険適用となっています
- リブレの数値が血糖測定器の数値と違うのはなぜ?
- リブレは血液ではなく間質液中のグルコース濃度を測定しているため、血糖測定器と差が出ることがあります。特に急激な血糖変動時には注意が必要です。
- リブレだけで血糖管理しても大丈夫?
- リブレは日常の血糖変動を知るために非常に役立ちますが、体調の変化時や低血糖の症状があるときには、自己血糖測定を併用することが推奨されています。
- お風呂や運動のときも使えるの?
- はい、センサーは耐水性なので、入浴中、シャワー中、水泳中も装着することが可能です。ただし、水深1mより深いところにセンサーを入れないでください。
- センサーがかゆくなったり、かぶれたりしたら?
- センサーの接着テープの見直しにより、以前よりもかぶれにくくなっています。それでも肌に合わないときは、装着部位を変える、事前に皮膚を保護するなどの対策があります。 心配な場合は医師に相談してください。
まとめ
以上のように、FreeStyleリブレは血糖管理をより身近で分かりやすいものにしてくれるツールです。
ただし、正しく使うこと、そして医療者との連携を保ちながら使うことが大切です。ご自身の状態や生活に合った使い方を見つけていきましょう