FreeStyle Libre

Freestyleリブレとは|Flash Glucose Monitoring

FreeStyleリブレは、指先穿刺の必要なく血糖変動を「見える化」できる血糖測定器です。

センサーを腕に装着し、専用リーダーや対応スマートフォンでスキャンするだけで、皮下のグルコース値を簡単に測定できるFlash Glucose Monitoring(フラッシュグルコースモニタリング)という技術を利用します。

この記事では、FreeStyleリブレの仕組みから具体的な使い方、導入するメリット、さらに費用や保険適用、知っておくべき注意点まで詳しく解説しており、ご自身の血糖管理に役立つか判断するための情報が得られます。

 


FreeStyleリブレ 穿刺不要の血糖測定システム

 

血糖値の管理において、指先を針で刺す痛みからの解放は非常に重要です

この見出しでは、痛みの少ない血糖測定技術の概要、開発元であるアボット社開発の医療機器としての側面、そして血糖変動の「見える化」による管理の重要性について解説します。

FreeStyleリブレは、日々の負担を減らしながら、より詳細な血糖データを得られる画期的なシステムです。

 

痛みの少ない血糖測定技術の概要

「Flash Glucose Monitoring(FGM:フラッシュグルコースモニタリング)」とは、センサーを皮膚に貼り付け、リーダー(読み取り装置)やスマートフォンをかざすだけで、皮下の間質液中のグルコース値を測定できる技術のことです。

従来の指先穿刺による血糖自己測定(SMBG)と異なり、測定のたびに針を刺す必要がなく、痛みを伴わずに1日に何度でも測定できます

この技術により、日常生活における血糖管理の負担が大幅に軽減されます。

 

アボット社開発の医療機器

FreeStyleリブレは、医療技術の分野で世界的に知られるアボット社によって開発された医療機器です。

アボット社は130年以上の歴史を持ち、革新的な診断薬・機器、医療機器、栄養剤、医薬品などを提供しており、世界160カ国以上で事業を展開しています

FreeStyleリブレも、長年の研究開発と技術力に裏打ちされた信頼性の高い製品といえます。

 

血糖変動の「見える化」による管理

血糖変動の「見える化」とは、血糖値が一日の中でどのように変化しているかをグラフなどで視覚的に捉えることを指します。

FreeStyleリブレは、センサーが最長14日間にわたり1分ごとにグルコース値を自動記録するため、食事や運動、ストレスなどが血糖値に与える影響を詳細に把握できます。

血糖値の動きを線で捉えることで、低血糖や高血糖のリスクを早期に発見し、より適切な血糖コントロールを目指すことが可能になります。

 


Flash Glucose Monitoring (FGM)の仕組み

 

Flash Glucose Monitoring (FGM)は、従来の血糖測定のあり方を大きく変える技術です。

指先穿刺なしで血糖の動きを継続的に把握できる点が、最も重要な特徴となります。

この仕組みによって、従来の血糖自己測定(SMBG)との根本的な違いが生まれ、センサーが間質液のグルコース値を連続測定することで、簡単なスキャン操作でのデータ取得が可能になります。

取得したデータからは現在値や履歴、血糖トレンドがわかり、血糖値を「点」ではなく「線」で捉えることにつながります。

FGMの仕組みを理解することで、FreeStyleリブレのような血糖測定器が、日々の血糖管理にいかに役立つかが見えてきます。

 

従来の血糖自己測定(SMBG)との根本的な違い

従来の血糖管理の主流であった血糖自己測定(SMBG: Self-Monitoring of Blood Glucose)は、指先などを専用の針で穿刺して血液を採取し、血糖測定器でその時点の血糖値を測定する方法を指します。

SMBGは測定時の血糖値しか分からず、測定のたびに痛みを伴うため、1日に何度も測定することが患者さんの負担になっていました。

したがって、食事や運動の影響、夜間など測定していない時間帯の血糖変動を把握することは困難でした。

FGMはこの「点」での測定に対し、「線」で血糖変動を捉える点が根本的に異なっています。

SMBGの測定時の痛みや測定回数の限界といった課題を、FGMは解決する可能性を持っています。

 

センサーによる間質液グルコース値の連続測定方法

FreeStyleリブレのセンサーは、皮膚の下にある「間質液」中のグルコース濃度を測定します。

これは、血液中のグルコース濃度(血糖値)とは少し異なる値を示します。

上腕の後ろなどに貼り付けたセンサーから、皮下に細く柔らかいフィラメント(電極)が挿入されます。

このフィラメントが間質液中のグルコースに反応し、1分ごとにグルコース値を自動で測定・記録し続け、最長14日間データを保持します。

この連続測定により、指先穿刺では捉えきれなかった血糖値の詳細な変動パターンを知ることが可能になります。

 

簡単なスキャン操作によるデータ取得手順

センサーに記録されたグルコース値データは、専用のリーダー(読み取り機)または対応するスマートフォンアプリ(FreeStyleリブレLink)をセンサーにかざすだけで簡単に取得できます。

センサーから約4cm以内にリーダーやスマートフォンを近づけ、わずか1秒ほどでスキャンが完了します。

服の上からでも読み取りが可能であり、日常生活の中で手間なく血糖情報を確認できます。

この手軽なスキャン操作が、血糖値の「見える化」を習慣づける助けとなります。

 

現在値と履歴、血糖トレンドの確認

センサーをスキャンすると、主に3つの重要な情報が表示されます。

①現在のグルコース値、②過去8時間分のグルコース値の推移グラフ、そして③血糖値が今後どのように変化するかを示す矢印(トレンドアロー)です。

この方法により、「今の血糖値」だけでなく、「ここ数時間で血糖値がどう動いてきたか」「これから上がりそうか、下がりそうか」といった、より多くの情報を一度のスキャンで把握できます。

これらの情報を複合的に見ることで、より的確な血糖管理行動(食事の調整、インスリン投与量の判断など)につながります。

 

血糖値を「点」ではなく「線」で捉える意義

従来のSMBGが測定時点の血糖値という「点」の情報しか得られなかったのに対し、FGMは連続的なグルコース値の変化を「線」としてグラフで表示します。

これがFGMの最大の意義です。

「線」で捉えることで、食事や運動、ストレス、薬剤などが血糖値に与える影響を具体的に理解できます。

例えば、食後の血糖値スパイク(急上昇・急降下)や、自覚症状のない夜間の低血糖なども発見しやすくなります。

血糖変動の全体像を把握することは、合併症のリスクを低減し、より良い血糖コントロールを実現するための重要な鍵となります。

 


FreeStyleリブレの具体的な使い方と特徴

 

FreeStyleリブレを使いこなすためには、センサーの装着からデータの読み取り、管理までの一連の流れを理解することが重要です。

具体的には、センサーの装着方法や交換時期貼り方のポイントリーダーやアプリでのデータ読み取り方法日常生活での使用感データの記録・管理方法、そして家族や医師とのデータ共有機能について解説します。

これらの使い方と特徴を知ることで、フリースタイルリブレを安心して日常生活に取り入れ、効果的な血糖管理に役立てることができます。

 

センサーの簡単な装着方法と交換時期

フリースタイルリブレのセンサー装着は非常に簡単で、専用のアプリケーター(装着補助具)を用いて、上腕の後ろ側にワンステップで貼り付けることが可能です。

痛みはほとんど感じない方が多いです。

一度装着したセンサーは、最長14日間、持続的にグルコース値を測定し続けます。

14日間の使用期間が終了したら、古いセンサーを剥がして新しいリブレ センサーに交換が必要です。

この簡単な手順により、ご自身で容易にセンサーを装着・交換できます。

「リブレ センサー 交換」は定期的に必要となる作業です。

 

センサー貼り方のポイントと注意点

センサーを快適に使用し、正確な測定を続けるためには、適切な部位を選び、皮膚への負担を最小限にすることがポイントとなります。

リブレの貼り方として、まずセンサーを貼る場所は、清潔で乾燥した、体毛の少ない平坦な部位(推奨は上腕後部)を選びましょう。

毎回同じ場所に貼るのではなく、少し位置をずらすことで、皮膚への負担を軽減できます。

これらの点に注意し、正しい「リブレ 貼り方」を実践することで、センサー装着に伴うトラブルを減らし、快適な使用感を維持することができます。

 

測定されたグルコース値のデータは、専用の読み取り機(リーダー)または対応するスマートフォンにインストールした「リブレLink」という専用アプリで読み取ります。

「リブレLink」は、フリースタイルリブレのデータを簡単に管理できる便利なツールです。

リーダーもしくはスマートフォンのNFCアンテナ部分をセンサーに近づけてスキャンするだけで、約1秒で現在のグルコース値、過去8時間の履歴グラフ、血糖トレンドを示す矢印が表示されます。

服の上からでもスキャン可能です。

ご自身のライフスタイルや使いやすさに合わせて、リーダーまたは「リブレ アプリ」である「リブレLink」を選択できます。

スマートフォン連携により、血糖値測定とデータ管理がより身近になります。

 

日常生活での使用感と防水性能(入浴・シャワー)

FreeStyleリブレのセンサーは小型で薄く、衣服の下に装着すれば外見からはほとんど目立たず、日常生活への影響が少ない点が特徴です。

センサーは、国際保護等級IP27に準拠した防水性能を備えています。

これは、水深1メートルで最長30分間の耐水性があることを示します。

このように、センサーを装着したまま入浴やシャワーが可能であり、日常生活の多くの場面で制限なく過ごせるため、活動的な方にも適した血糖測定器です。

 

測定データの記録・管理とグラフでの視覚化

FreeStyleリブレの大きな利点は、血糖変動のパターンをグラフで「見える化」できることです。

リーダーや「リブレLink」アプリには、スキャンによって得られたグルコース値が自動的に記録されます。

特にアプリでは、過去8時間分のグルコース値の推移が連続的な線グラフで表示され、さらに日・週・月単位でのレポートも確認できます。

これらのデータを活用することで、ご自身の血糖コントロールの状態を客観的に把握し、食事療法や運動療法、薬物療法の効果を確認しながら、より良い自己管理を目指すことができます。

 

家族や主治医とのデータ共有機能「リブレView」

「リブレView」とは、FreeStyleリブレで測定したグルコースデータを、インターネットを介して安全に共有できるクラウドベースのシステムです。

「リブレLink」アプリを使用している場合、測定データは自動的に「リブレView」にアップロードされます(Wi-Fiまたはモバイルデータ通信環境下)。

ご本人の許可があれば、ご家族や主治医が、自身のパソコンやスマートフォンから、いつでもどこでも測定データを確認できます。

この「データ共有」機能は、特に高齢者や一人暮らしの方、またお子様の血糖管理において、安心感を高める有用なツールです。

「リブレリンク」と「リブレView」を活用することで、患者さんを中心としたチームでの効果的な糖尿病管理を支援します。

 


FreeStyleリブレ導入の利点と考慮すべき点

 

FreeStyleリブレ導入の最大のメリットは日常的な指先穿刺から解放されることですが、装置の費用測定値の特性など、事前に理解しておくべき点もあります。

ここでは、食事や運動による血糖値への影響の把握血糖値スパイクの発見と対策への活用といった具体的なメリットから、公的医療保険の適用条件購入方法測定値の誤差と時間差アラーム機能の有無起こりうる皮膚トラブル、そして他の持続血糖測定器(CGM)との比較点まで、導入を検討する上で重要な情報を詳しく解説します。

メリットと考慮すべき点を総合的に理解することは、ご自身にとってFreeStyleリブレが最適な血糖管理の方法であるか判断するための重要な材料となるでしょう。

 

日常的な指先穿刺からの解放

FreeStyleリブレの導入による最も大きな変化は、血糖値測定のための痛みを伴う指先穿刺が基本的に不要になる点です。

従来の血糖自己測定(SMBG)では、測定の都度、ランセットと呼ばれる器具で指先を穿刺し、血液を採取する必要がありました。

リブレを使用すると、上腕に装着したセンサーを専用リーダーやスマートフォンアプリでスキャンするだけで、1日の血糖変動を痛みなく把握できます。

これは、測定回数が増えることによる精神的、身体的な負担を大幅に軽減します。

穿刺の痛みや煩わしさから解放されることで、血糖管理に対する心理的なハードルが下がり、より積極的に治療に取り組めるようになるでしょう。

 

食事や運動による血糖値への影響の把握

FreeStyleリブレは血糖値の変動を「線」グラフで表示するため、食事内容や運動が血糖値に具体的にどう影響するかを詳細に把握できます。

たとえば、特定の食事を摂った後、血糖値がどの程度の時間で上昇し始め、どのくらいの高さでピークを迎え、どのくらいの時間をかけて元の値付近に戻るかといった一連の流れが、グラフ上で視覚的に確認可能です。

同様に、ウォーキングやジョギング、筋力トレーニングといった異なる種類の運動やその強度、持続時間が血糖値に及ぼす影響も、具体的に追跡することができます。

自身の生活習慣と血糖変動の間の関連性を深く知ることは、食事療法や運動療法をより効果的に調整し、血糖コントロールを改善するための重要な情報となります。

 

血糖値スパイクの発見と対策への活用

血糖値スパイクとは、食後に血糖値が急激に上昇し、その後に急降下する現象のことです。

FreeStyleリブレは、この血糖値スパイクの発見に非常に役立ちます。

従来の血糖自己測定では測定タイミングが限られるため、見逃されがちだった食後短時間での急峻な血糖上昇も、リブレの連続的なグルコース値データによって明確に捉えることが可能になります。

どのような食品の摂取や食事の組み合わせが血糖値スパイクを引き起こしやすいかを具体的に特定することで、「食べる順番を工夫する(例:野菜から先に食べる)」「糖質の吸収が緩やかな食品を選ぶ」といった、より効果的な対策を立てやすくなります。

血糖値スパイクを抑制することは、血管へのダメージを軽減し、糖尿病合併症の発症や進行のリスクを長期的に低減するために重要です。

 

装置の費用と公的医療保険の適用条件(リブレ 価格、保険適用)

FreeStyleリブレを使用するためには、センサーを継続的に購入する必要があり、一定の費用が発生します。

公的医療保険の適用を受けるためには、特定の条件を満たす必要があります。

センサーは消耗品で、1個あたり約7,000円前後の価格で販売されており、最長14日間使用できます。

公的医療保険が適用されるのは、原則としてインスリン製剤の自己注射を1日に1回以上行っている糖尿病患者さんなど、定められた条件を満たす場合です。

保険が適用されると、自己負担割合(通常1割から3割)でセンサーを購入できます。

保険適用の詳細な条件や自己負担額については、個々の患者さんの状況により異なります。

導入を検討される際は、必ず主治医や医療機関の窓口で確認するようにしてください。

 

測定値の特性 理解すべき誤差と時間差(リブレ 精度、誤差)

FreeStyleリブレによって得られる測定値には、従来の指先穿刺による血糖値測定とは異なる特性が存在します。

この点を理解しておくことは非常に重要で、具体的には測定部位の違いから生じる時間差(タイムラグ)数値の誤差が挙げられます。

リブレは皮膚の下にある間質液中のグルコース濃度を測定しています。

これに対し、指先穿刺で測定するのは血液中のグルコース濃度(血糖値)です。

体内のグルコース濃度が変動する際、まず血液中の濃度が変化し、少し遅れて間質液中の濃度が追随するように変化します。

このため、リブレの測定値と実際の血糖値との間には、一般的に5分から10分程度の時間差が生じます。

特に、食後や運動後、あるいは低血糖からの回復時など、血糖値が急速に変動している場面では、この時間差や測定値の差(誤差)がより顕著になる可能性があります。

したがって、リブレの示すグルコース値と、同時に測定した指先での血糖値が完全に一致しない場合があることを認識しておく必要があります。

なお、FreeStyleリブレは、基本的に較正(指先穿刺による測定値を用いた補正作業)は不要とされています。

この測定値の特性を十分に理解し、低血糖が疑われる症状がある場合や、測定値と自覚症状が一致しないと感じる場合には、必ず指先穿刺による血糖値測定を行い、確認することが重要です。

 

起こりうる皮膚トラブルとその対処法

FreeStyleリブレのセンサーを上腕に装着する際、一部の方で装着部位の皮膚にかゆみ、かぶれ(接触皮膚炎)、赤みといった皮膚トラブルが発生することがあります。

これらの多くは、センサーを固定するための粘着剤や、センサーの素材そのものに対する皮膚の反応が原因と考えられます。

発生頻度は高くありませんが、数パーセント程度の方に起こる可能性があります。

もし皮膚トラブルが生じた場合の対処法としては、まず「装着部位を毎回少しずつずらす」、「装着前に皮膚を石鹸でよく洗い、水分を完全に乾かす」といった基本的なケアが挙げられます。

さらに、「皮膚被膜剤(スプレータイプやワイプタイプがあり、皮膚と粘着剤の間に薄い膜を作る)」を塗布してからセンサーを装着する、あるいはセンサーの上から通気性のある「専用の固定テープやドレッシング材」で保護するといった方法も有効です。

これらの対処法を試みても皮膚トラブルが改善しない場合や、症状が悪化するような場合は、センサーの使用を一時中断し、速やかに主治医または皮膚科専門医に相談してください。

 

他の持続血糖測定器(CGM)との比較点

FreeStyleリブレは、そのデータ取得方式からフラッシュグルコースモニタリング(FGM: Flash Glucose Monitoring)というカテゴリーに分類されます。

これと類似した技術に、持続血糖測定器(CGM: Continuous Glucose Monitoring)と呼ばれるシステムがあります。

FGM(リブレ)とCGM(代表的な製品例:デクスコムG6、メドトロニック社のガーディアンコネクトなど)の主な違いは、グルコース値データの取得方法と、高血糖・低血糖アラーム機能の標準装備の有無にあります。

FGMは、利用者がセンサーを能動的にスキャンすることでデータを読み取ります。

一方、多くのCGMは、センサーが測定したグルコース値データを一定間隔(例:5分ごと)で自動的に専用レシーバーや連携するスマートフォンに無線送信し続ける仕組みです。

このため、CGMの多くは低血糖や高血糖が発生した場合に自動で警告を発するアラーム機能が標準搭載されており、リアルタイムでの注意喚起が可能です。

また、較正に関して、リブレは基本的に不要ですが、CGMの中には指先穿刺による血糖値測定を用いた較正が定期的に必要となる機種もあります。

 

FGMとCGMのどちらがより適しているかは、個々の患者さんの血糖コントロール目標、生活スタイル(スキャン操作をこまめに行えるかなど)、アラーム機能へのニーズの度合い、そして費用負担などを総合的に考慮して、主治医と相談しながら選択することが望ましいです。

 


FreeStyleリブレ導入を検討する方へ

 

FreeStyleリブレの導入を考える上で、ご自身の状況に適しているかを見極めることが非常に重要です。

「血糖測定における指先穿刺の負担を減らしたい」という想いは共通ですが、その効果を最大限に引き出すためには、いくつかの点を理解しておく必要があります。

このセクションでは、FreeStyleリブレが特に推奨される方の特徴導入前に確認・理解しておくべき重要な事柄、そしてかかりつけ医への相談と情報収集の重要性について詳しく解説します。

ご自身の血糖管理をより良くするための判断材料としてください。

 

FreeStyleリブレが特に推奨される方の特徴

FreeStyleリブレは、血糖管理を行うすべての方にメリットがありますが、特に血糖コントロールに課題を感じている方や、従来の測定方法に負担を感じている方に大きな利点をもたらします。

例えば、インスリン療法を行っており1日に何度も血糖測定が必要な方、血糖値の変動が大きい方(食後高血糖や夜間低血糖が気になる方)、指先穿刺の痛みが強く継続が難しい方などが挙げられます。

また、スポーツを行う方や活動量が多い方にとっても、血糖トレンドを把握しやすいため有用です。

これらの特徴に当てはまる方は、FreeStyleリブレの導入によって血糖管理の質が向上し、生活の質(QOL)の改善も期待できます。

 

導入前に確認・理解しておくべき重要な事柄

FreeStyleリブレは画期的な血糖測定器ですが、導入する前に知っておくべき特性や注意点があります。

まず、費用です。

FreeStyleリブレのセンサーは最長14日間で交換が必要な消耗品であり、継続的に費用が発生します。

インスリン治療を受けているなどの一定の条件を満たせば公的医療保険が適用されますが、適用外の場合は自費購入となり、センサー1個あたり数千円程度の負担が必要です。

ご自身の保険適用の可否や、おおよその自己負担額を事前に把握しておくことが大切です。

次に、測定値の特性についてです。

FreeStyleリブレは血液中のグルコース値(血糖値)ではなく、皮下の間質液中のグルコース値を測定します。

そのため、血糖値とは数分程度の時間差(タイムラグ)わずかな数値のずれ(誤差)が生じます。

特に血糖値が急激に変動している時(食後や運動後、低血糖時など)はこの差が大きくなる傾向があることを理解しておきましょう。

また、FreeStyleリブレのReader(専用読み取り機)や一部の初期モデルでは、自動で高血糖や低血糖を警告するアラーム機能はありません(後継機種やスマートフォンアプリ連携タイプには搭載されています)。

血糖値を知るためには、ご自身で能動的にセンサーをスキャンする必要があります。

最後に、皮膚トラブルの可能性です。

まれにセンサー装着部位の皮膚がかぶれたり、かゆみが出たりすることがあります。

装着部位を毎回変える、保湿をしっかり行うなどの対策が必要です。

これらの点を事前に理解し、納得した上で導入を決定することが、FreeStyleリブレを有効に活用するための鍵となります。

 

かかりつけ医への相談と情報収集の重要性

FreeStyleリブレの導入を具体的に検討する際には、必ずかかりつけの医師に相談してください。

FreeStyleリブレは医療機器であり、その適応は患者さん一人ひとりの病状や血糖コントロールの状態、ライフスタイルなどを考慮して、医師が総合的に判断します。

「穿刺がいやだから」という理由だけで安易に導入するのではなく、医学的な観点からFreeStyleリブレが本当にご自身にとって有益なのか、専門家である医師とよく話し合うことが不可欠です。

医師は、あなたの糖尿病の状態や治療内容、生活習慣を把握した上で、FreeStyleリブレ導入のメリットとデメリット保険適用の可否具体的な使い方や注意点万が一トラブルが起きた際の対処法などを詳しく説明してくれます。

また、センサーの処方箋を発行してもらうためにも、医師の診察が必要です。

加えて、信頼できる情報源からの情報収集も大切です。

アボット社の公式ウェブサイトや、糖尿病関連の学会が提供する情報などを参考に、FreeStyleリブレに関する知識を深めておくことも、医師との円滑なコミュニケーションに役立ちます。

インターネット上の個人のブログやSNSの情報は、あくまで個人の体験談として参考に留め、医学的な判断は必ず医師に仰ぐようにしましょう。

医師との十分なコミュニケーションと、ご自身での正しい情報収集を通じて、納得のいく形でFreeStyleリブレ導入を判断することが、より良い血糖管理への第一歩となります。

 


よくある質問(FAQ)

フリースタイルリブレのセンサーは、上腕の後ろ以外には装着できませんか?

センサーの装着部位として、アボット社が推奨し、承認を得ているのは上腕の後ろ側のみです。ここに装着することで、正確なグルコース値の測定が期待できます。他の部位への装着はリブレ 貼り方として推奨されておらず、リブレ 精度に影響したり、剥がれやすくなったりする可能性があります。

リブレ センサーが使用期間(最長14日間)の途中で剥がれてしまった場合、どうすれば良いでしょうか?

途中で剥がれてしまったセンサーは再装着できません。新しいセンサーに交換する必要があります。剥がれを防ぐためには、装着前に皮膚を清潔で乾燥した状態にし、必要であれば専用の固定テープなどを使用することも有効です。予定より早く交換することになるため、予備のリブレ センサー 交換用を持っておくと安心でしょう。この場合の費用負担については、購入元や保険の状況により異なるため確認してください。

フリースタイルリブレの測定値と、指先で測る血糖自己測定(SMBG)の値が違うことがあるのはなぜですか?誤差はどの程度許容されますか?

リブレは血液ではなく皮下の間質液のグルコース値を測定するため、指先穿刺で測定する血糖値とは約5~10分程度の時間差が生じます。血糖変動が激しい時(食後や運動後など)はこの差(リブレ 誤差)が大きくなる傾向があります。明らかな低血糖症状があるのにリブレの値が高い場合など、測定値と自覚症状が一致しない時は、必ずSMBGで確認することが重要です。どの程度の差を許容するかは一概に言えませんが、リブレ 精度に関する疑問は主治医に相談しましょう。

フリースタイルリブレを使っていれば、もう指先穿刺による血糖自己測定(SMBG)は全く必要ないのでしょうか?

基本的に日常的な血糖値測定はリブレのスキャンで行えますが、SMBGが完全に不要になるわけではありません。例えば、低血糖症状を感じるのにリブレの測定値が高い場合、逆に高血糖症状があるのに低い場合、あるいは急激な血糖変動が予想される際など、リブレの測定値を確認するためにSMBGが必要になる場面があります。リブレの測定値(グルコース値)の特性を理解し、必要に応じてSMBGを併用することが血糖コントロールには大切なのです。

使用済みのリブレ センサーはどのように捨てればよいですか?家庭ごみで問題ありませんか?

使用済みのリブレ センサーには針が付いていません(装着時に皮下に挿入されるのは柔らかいフィラメントです)。そのため、特別な医療廃棄物としての処理は通常必要ありません。お住まいの自治体のルールに従い、一般の家庭ごみ(多くの場合「燃えないごみ」や「プラスチックごみ」など)として廃棄できます。心配な場合は、自治体の分別ルールを確認するとよいでしょう。リブレ センサー 交換後は適切に廃棄してください。

旅行に行く予定があります。もし旅行中にリブレ センサーの交換時期が来たらどうすれば良いですか?

旅行期間がセンサーの使用期間(最長14日)を超える場合や、予期せぬ剥がれに備えて、予備のセンサーを持参することを推奨します。特に海外旅行の場合は、現地でのリブレ 販売店での購入が困難な場合もあります。余裕を持った数のセンサーと、装着に必要なアルコール綿などを準備しておくと安心です。リブレ センサー 交換がスムーズに行えるよう、事前に準備を整えましょう。

まとめ

この記事では、指先を刺さずに血糖変動を把握できる「フリースタイルリブレ」について、フラッシュグルコースモニタリングの仕組みから具体的な使い方、メリット、そして知っておくべき注意点まで解説しました。

フリースタイルリブレがご自身の血糖管理に適しているか、導入を検討する際は、この記事を参考に、必ずかかりつけの医師にご相談ください。

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