足の裏、毎日見ていますか?|糖尿病性足病変とフットケアの重要性
【足の裏、毎日見ていますか?|糖尿病性足病変とフットケアの重要性】
気温が高くなり、素足で過ごすことが増えるこの季節。素足になる前に、あなたの足の裏や指先はきれいな状態でしょうか。
普段どのくらいの頻度で足の状態を確認していますか?
実は、糖尿病の方にとって足のケアはとても大切です。足に小さな傷があっても気づきにくく、知らないうちに傷が悪化してしまうことがあります。
今回は糖尿病と足の深い関係、そして今日から始められるフットケアの3つのポイントをご紹介します。
●糖尿病性足病変とは
糖尿病のある方では、足のトラブルがみられることが少なくありません。以下のような足のトラブルをあわせて、「糖尿病性足病変」と呼びます。
・足の指や爪の白癬(水虫)
・胼胝(たこ)
・鶏眼(うおのめ)
・足の変形
・足潰瘍や壊疽(えそ)
糖尿病の影響で神経のはたらきが鈍くなったり、血流が悪くなったりすることで、小さな傷に気づきにくい場合があります。
そのまま放っておくと、傷が悪化して治りにくくなることがあります。
重症化して足壊疽となると、足の切断が必要となるケースもあります。
そのため、早めに対応することが大切です。
●毎日のケアで足を守りましょう!フットケア3つのポイント
足を守るための日々のお手入れを「フットケア」と呼びます。ここでは、今日からできる3つのポイントをご紹介します。
①足をよく観察する
毎日お風呂で足を洗うときに、足の裏・指の間・かかとの後ろなどをよく見てみましょう。傷や赤み、水ぶくれ、変色がないか、毎日確認する習慣が大切です。
②丁寧に洗い、洗った後はしっかり乾燥、保湿する
細かい部分もきれいに洗いましょう。そして足を洗った後は、水分をしっかりふき取ることがポイントです。とくに、指の間はしめりやすいので注意。乾燥が気になる部分には保湿クリームを塗って、ひび割れを予防しましょう。
③気になるトラブルがあれば早めに受診しましょう
白癬(水虫)が疑われる、足の傷が治りにくいなどの症状がある場合は、自己判断での処置は控えてください。悪化させないためにも、早めに皮膚科を受診しましょう。
足を観察する毎日の小さな心がけが、あなたの足を守ることにつながります。「足の傷があるけれど、これは糖尿病のせい?」など、気になることがあればお気軽にご相談ください。
足の合併症やその他の糖尿病合併症については、こちらの記事でもご紹介しています。ぜひ一緒にご覧ください。
この記事の監修者
吉良 文孝 医師
さいたま胃腸内視鏡と肝臓のクリニック和光市駅前院 理事長
主な経歴
- 平成15年:東京慈恵会医科大学 卒業
- 平成15年:東京警察病院 勤務
- 平成23年:JCHO東京新宿メディカルセンター 勤務
- 平成29年:株式会社サイキンソー CMEO 就任
- 平成30年:東長崎駅前内科クリニック 開院
- 令和3年:さいたま胃腸内視鏡と肝臓のクリニック和光市駅前院 開院
専門資格
- 日本内科学会 認定内科医
- 日本消化器病学会 消化器病専門医
- 日本消化器内視鏡学会 内視鏡専門医
- 日本肝臓学会 肝臓専門医
- 日本糖尿病学会 会員
- 日本抗加齢学会 会員