コラム
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夏に注意!!ペットボトル症候群(清涼飲料水ケトーシス)とは?
ペットボトル症候群とは
ペットボトル症候群は、甘い清涼飲料水を短期間に大量摂取することで起こる急性の高血糖状態を指す俗称で、正式には「清涼飲料水ケトーシス(ソフトドリンクケトーシス)」と言います。血糖値が著しく上昇し、そのまま放置すると意識障害や昏睡を引き起こすこともあるため要注意です。
発症メカニズム
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糖分摂取による血糖値上昇
ジュースなどに含まれる大量のブドウ糖が血中に流れ込み、血糖値が急激に上がります。 -
インスリン分泌と耐性の悪化
膵臓から大量のインスリンが分泌されますが、過剰な刺激が続くとインスリン感受性が低下し、ブドウ糖を細胞内に取り込めなくなります。 -
脂肪分解とケトン体増加
細胞がエネルギーを得られないと、代わりに脂肪を分解。その過程でアセト酢酸・β-ヒドロキシ酪酸・アセトンの3種のケトン体が生成され、血中ケトン体が増加してケトーシスを引き起こします。
主な症状
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初期症状
- 激しい喉の渇き
- 頻繁な多尿
- 全身の倦怠感
- 疲労感、イライラ
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重症化すると
- 吐き気・嘔吐
- 腹痛
- 意識の混濁
- 昏睡状態
糖尿病の診断歴がない人でも、短期間の清涼飲料水過剰摂取で急に発症することがあります。特に暑い季節、冷たいジュースやスポーツドリンクに頼りすぎないようにしましょう。
安全な水分補給のポイント
- 無糖の水・麦茶
- カフェイン・アルコールを含まないお茶類
- スポーツドリンクは薄める or 回数を控える
脱水予防のためには、こまめに常温の水や麦茶を飲むのがもっとも安全です。暑さが続きますが、適切な飲み物を選んで元気に夏を乗り切りましょう!
この記事の監修者
糖尿病・内分泌・生活習慣病内科 金子 千束 医師
糖尿病や内分泌疾患の診療を専門とし、患者さんの生活に寄り添った治療を心がけています。適切な治療により体調が改善し、生活の質が向上した多くの患者さんを拝見してきました。皆さんの生活がより健やかになるよう、一緒に考えていきたいと思います。
プロフィール
- 出身:茨城県(東京都育ち)
- 専門分野:糖尿病・内分泌疾患・生活習慣病
- 趣味:カフェ巡り、旅行、英語絵本多読
主な経歴
- 2009年3月 千葉大学医学部医学科 卒業
- 2009年4月~2011年3月 関東中央病院 初期臨床研修医
- 2011年4月~2015年3月 公立昭和病院 代謝内分泌内科 後期研修医
- 2016年1月~2019年3月 金沢赤十字病院 内科
- 2019年5月~2025年3月 公立昭和病院 糖尿病・内分泌内科(2020年4月より医長)
- 2025年4月~ さいたま胃腸内視鏡と肝臓のクリニック和光市駅前院 糖尿病内分泌内科専門外来
専門資格
- 日本内科学会 総合内科専門医
- 日本糖尿病学会 糖尿病専門医
- 日本内分泌学会 内分泌代謝科専門医
- 日本専門医機構 内分泌代謝・糖尿病内科 領域指導医
吉良 文孝
さいたま胃腸内視鏡と肝臓のクリニック和光市駅前院 理事長
主な経歴
- 平成15年:東京慈恵会医科大学 卒業
- 平成15年:東京警察病院 勤務
- 平成23年:JCHO東京新宿メディカルセンター 勤務
- 平成29年:株式会社サイキンソー CMEO 就任
- 平成30年:東長崎駅前内科クリニック(消化器内科・内視鏡内科・肝臓内科・生活習慣病内科) 開院
- 令和3年:さいたま胃腸内視鏡と肝臓のクリニック和光市駅前院(消化器内科・内視鏡内科・肝臓内科・糖尿病内科・内分泌内科・生活習慣病内科) 開院
専門資格
- 日本内科学会 認定内科医
- 日本消化器病学会 消化器病専門医
- 日本消化器内視鏡学会 内視鏡専門医
- 日本肝臓学会 肝臓専門医
- 日本糖尿病学会 会員
- 日本抗加齢学会 会員