ソフトドリンクケトーシスとは?
【ソフトドリンクケトーシスとは?】
~暑い時期に注意が必要な代謝・内分泌の病気と予防法~
暑くなってくるこの時期、喉が渇いてジュースや清涼飲料水などの甘い飲み物をたくさん飲んでいませんか?
糖分を多く含む飲み物をとりすぎると、血糖値が急上昇し、「高血糖」の状態を招きます。
高血糖状態が続くと、体は糖をエネルギーとしてうまく使えなくなり、代わりに脂肪を分解してエネルギーを得ようとします。
その過程で「ケトン体」と呼ばれる物質が産生されます。ケトン体が体内で蓄積していくと、「ケトーシス」という状態になります。
さらに進行すると、体内の血液が酸性に傾き、「ケトアシドーシス」という重篤な状態になります。意識を失って倒れる可能性があり、危険な状態です。
また、暑い時期は汗による脱水も加わりやすく、血糖値の悪化に拍車をかけます。
このように、糖分を含む飲み物の飲みすぎでケトーシスに至る状態を「ソフトドリンクケトーシス(清涼飲料水ケトーシス/ペットボトル症候群)」と呼びます。
●ソフトドリンクケトーシスになりやすい人は?
・糖尿病と診断されている方
・清涼飲料水を日常的に飲む方
・肥満気味の方、血糖値が気になる方
ソフトドリンクケトーシスは、糖尿病と診断されたことがない方でも起こることがあるため、注意が必要です。
●ソフトドリンクケトーシスを予防する3つのポイント
①水分補給は、「水」や「お茶」など糖分の含まないものを選ぶ
②甘い飲み物はできるだけ控える
③喉が渇きやすい時期こそ、飲み物の「成分表示」をチェックする
●気になる症状や食生活の不安があればご相談を
当院では血糖値が気になる方の食事や飲料の選び方についても、管理栄養士による栄養指導を行っています。
「清涼飲料水をよく飲んでいる」「最近疲れやすい」など、思い当たることがある方は、お気軽にお問い合わせください。
この記事の監修者
糖尿病・内分泌・生活習慣病内科 金子千束 医師
糖尿病や内分泌疾患の診療を専門とし、患者さんの生活に寄り添った治療を心がけています。適切な治療により体調が改善し、生活の質が向上した多くの患者さんを拝見してきました。皆さんの生活がより健やかになるよう、一緒に考えていきたいと思います。
プロフィール
- 出身:茨城県(東京都育ち)
- 専門分野:糖尿病・内分泌疾患・生活習慣病
- 趣味:カフェ巡り、旅行、英語絵本多読
主な経歴
- 2009年3月 千葉大学医学部医学科 卒業
- 2009年4月〜2011年3月 関東中央病院 初期臨床研修医
- 2011年4月〜2015年3月 公立昭和病院 代謝内分泌内科 後期臨床研修医
- 2016年1月〜2019年3月 金沢赤十字病院 内科
- 2019年5月〜2025年3月 公立昭和病院 糖尿病・内分泌内科(2020年4月より医長)
- 2025年4月~ さいたま胃腸内視鏡と肝臓のクリニック和光市駅前院 糖尿病内分泌内科専門外来
専門資格
- ✓ 日本内科学会 総合内科専門医
- ✓ 日本糖尿病学会 糖尿病専門医
- ✓ 日本内分泌学会 内分泌代謝科専門医
- ✓ 日本専門医機構 内分泌代謝・糖尿病内科 領域指導医
この記事の監修者
吉良 文孝 医師
さいたま胃腸内視鏡と肝臓のクリニック和光市駅前院 理事長
主な経歴
- 平成15年:東京慈恵会医科大学 卒業
- 平成15年:東京警察病院 勤務
- 平成23年:JCHO東京新宿メディカルセンター 勤務
- 平成29年:株式会社サイキンソー CMEO 就任
- 平成30年:東長崎駅前内科クリニック 開院
- 令和3年:さいたま胃腸内視鏡と肝臓のクリニック和光市駅前院 開院
専門資格
- 日本内科学会 認定内科医
- 日本消化器病学会 消化器病専門医
- 日本消化器内視鏡学会 内視鏡専門医
- 日本肝臓学会 肝臓専門医
- 日本糖尿病学会 会員
- 日本抗加齢学会 会員