手足がしびれるのは糖尿病のサイン？
手足がしびれる症状は、多くの場合、糖尿病の合併症である糖尿病性神経障害の初期症状として現れます。
これは、糖尿病が進行することで神経や血管がダメージを受けるために起こります。
早期に対応することで進行を抑えられるため、症状を軽視せずに適切な対処を行うことが重要です。
糖尿病と手足のしびれの関係
糖尿病による高血糖状態が続くと、全身の細い血管（毛細血管）や神経に以下のような影響を及ぼします。
神経へのダメージ
高血糖が神経を傷つけ、信号伝達が正常に行われなくなります。このため、感覚が鈍くなったり、しびれやチクチクした痛みが現れます。
血流の悪化
高血糖は血液の粘度を高め、血管を傷つけます。その結果、神経に酸素や栄養が行き届かなくなり、しびれや冷えなどの症状が出ることがあります。
手足がしびれる際の特徴
糖尿病性神経障害によるしびれは以下の特徴を持つことがあります。
| 左右対称に現れる | 特に両足や両手の末端からしびれが始まる場合が多いです。 |
|---|---|
| 進行性である | 初期には軽い違和感程度ですが、進行すると強いしびれや感覚の喪失が生じます。 |
| 痛みを伴う場合がある | チクチク、ピリピリといった痛みや、時に刺すような感覚を伴うことがあります。 |
糖尿病以外に考えられる手足のしびれの原因
手足のしびれは糖尿病だけでなく、他の健康状態や疾患によっても引き起こされる場合があります。
| 末梢神経障害（外傷や圧迫による） | 長時間同じ姿勢で座る、寝るなどの要因で神経が圧迫されることがあります。 |
|---|---|
| 椎間板ヘルニア | 背骨の間にある椎間板が突出し、神経を圧迫します。 |
| ビタミンB12不足 | 神経機能を維持するのに必要な栄養素が不足している場合に起こります。 |
| 脳卒中 | 突然のしびれや麻痺が現れる場合は、緊急の対応が必要です。 |
| 多発性硬化症や自己免疫疾患 | 神経系に影響を及ぼす病気でもしびれが発生することがあります。 |
糖尿病による手足のしびれを放置するとどうなる？
糖尿病性神経障害を放置すると、以下のような深刻な合併症に繋がる可能性があります。
感覚の喪失
神経がさらに損傷すると、痛みや温度を感じなくなり、ケガややけどに気づかないことがあります。
潰瘍や感染症
しびれによる感覚低下が原因で足に傷ができ、その傷が悪化して感染症を引き起こすことがあります。
下肢切断のリスク
感染症が進行し、治療が間に合わない場合、最悪のケースでは足の切断が必要になることもあります。
手足のしびれを改善する方法
血糖値のコントロール
血糖値を安定させることが、神経障害の進行を抑える最も重要な方法です。定期的な血糖値チェックと、医師の指導の下での食事療法や運動療法を実践しましょう。
適切な運動
軽いウォーキングやストレッチなど、血行を良くする運動を取り入れることで、神経への血流を改善します。
薬物療法
医師の処方により、神経痛を和らげる薬やビタミン剤などを使用します。
フットケアの徹底
- 足の清潔を保つ
- 毎日足の状態を確認する
- 靴は自分に合ったサイズで通気性の良いものを選ぶ
早期対応が健康を守る鍵
手足のしびれは、糖尿病性神経障害の初期段階で見られる重要な警告サインです。
症状を軽視せず、早めに医療機関で検査を受けることが、合併症を防ぎ、健康を維持するための第一歩です。
当院では、糖尿病による手足のしびれに関する専門的な検査と治療を提供しています。
気になる症状がある方は、ぜひお気軽にご相談ください。
